TOP > マットレスの選び方 > マットレスの違い2ページ
次に説明するのは、高級マットレスとして知られるポケットコイルマットレスです。「コイル」の名前が示す通り、ボンネルコイルマットレスと同じようにらせん状のスプリングが使われています。ただし中身のスプリングはそれぞれが独立していて、ボンネルコイルのように連結はされていません。
ポケットコイルの特徴は、この独立したスプリングにあります。一つ一つのスプリングが個別に体を支えるので、体のラインに沿った自然な寝姿勢を保つことが出来ます。このように柔軟に体を支える方式を、「点で支える」といいます。一つ一つのスプリングが点となって体を支えるので、体への負担が少ない体圧分散に優れた寝姿勢で眠れるというメリットがあります。
快適な睡眠という点では非常に優れたマットレスですが、残念ながら欠点もあります。まず、耐久性の低さ。体を支えるのはいつも同じ限られたスプリングになるので、ヘタりが早いです。次に、通気性の悪さ。スプリングは個別に袋詰めされていて、空気が移動し難い構造です。そして価格。使われているスプリングの数が多く、作りも複雑なので高価になってしまいます。
このように、耐久性・通気性・価格に対してデメリットはありますが、睡眠の快適性はとても素晴らしく、質の高い睡眠を求める人にはお勧めのマットレスです。ただし、極端に体重の軽い人はスプリングの反発力に負けるので、また極端に重い人は腰が沈みすぎるので、どちらも快適な寝姿勢を得られません。こういった方は、ボンネルコイルの方が体に合っているでしょう。
ではどれくらいの体重の人に向いているのかというと、一般的に体重50kg未満の方はソフト、50~60kgでミディアム、60kg以上の方はハードが合うとされています。またスプリングの数は標準で約500本ですが、900本以上の高密度タイプならより重たい体重にも対応できます。質の高い睡眠を手に入れるためには、自分の体重に合ったマットレスを選ぶようにしましょう。
使われているスプリングの種類(鋼線種)や太さ(直径)で、硬さ(寝心地)が変わるのはボンネルコイルと同じです。線種だと「SWRH72B」の数字の部分が大きいほど硬く、また線の直径も太いほど硬くなるので、スプリングの微妙な硬さを選びたい方はこれらの数字を比べながら選んでください。
なおポケットコイルでは、さらにスプリングの並び方で硬さが変わります。スプリングを縦横に配置した平行配列だと、通気性に優れた柔らかな寝心地を楽しめます。ハニカム状に隙間なく並べた交互配列なら、スプリングの数が多く耐久性に勝り、寝心地も硬めが選べます。どちらの配列が良いかは個人の好みなので、実際に寝心地を試しながら選ぶのが良いでしょう。
金属のスプリングが体に当たると痛いので、マットレス表面にウレタンのクッション材が入っているのもボンネルコイルと同じです。マットレスを選ぶ際は、スプリングの硬さと同時に表面の硬さにも注意して選びましょう。表面が硬い場合は、ベッドパッドで柔らかさを調整することもできますよ。
以上、ボンネルとポケットという二種類のスプリング式マットレスを紹介しました。スプリング式はしっかりと体を支えてくれる反発力が魅力ですが、反発力が強すぎると体圧分散が出来ないし、逆に弱すぎると腰が沈んで寝姿勢が悪くなってしまう欠点があります。ですが自分の体に合った硬さを選ぶことが出来れば、とても快適な睡眠環境が得られますので、ぜひお近くの家具屋さんや寝具店でスプリングマットレスの寝心地を試して欲しいと思います。
平行配列のポケットコイルマットレス
(リンク先:楽天)
コイルが隙間なく入った交互配列
三つ折タイプのポケットコイル
(リンク先:楽天)