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これまでの説明はスプリングを使ったマットレスでしたが、ここからはスプリングを使わないウレタン系マットレスの説明に移ります。
ウレタン系マットレスで最初に説明するのは、低反発マットレスです。スプリングマットレスが反発力の強いマットレスだったので、ちょうど正反対の性質を持つマットレスということになります。ちなみに低反発は薄型マットレスの中で今もっとも人気があり、ソファーやクッションなどにも採用が広がっているので、皆さんの家にも一つは低反発グッズがあるかもしれませんよ。
さて、その低反発マットレスの特徴ですが、ゆっくりと沈み込む独特の寝心地にあります。マットレスの上に横になると体がゆっくり沈み始め、特にお尻や肩など体圧の掛かる場所は深く、逆に軽い手足や腰のくぼんだ部分は浅く沈むことで、体のラインを自然な寝姿勢に保ってくれます。また体全体を均一に受け止めるので、体圧分散に優れ体への負担も少なくなっています。
表面は柔らかくて肌当たりが良く、適度に体が沈むのでフィット感にも優れているなど、寝姿勢や体への負担だけではなく寝心地にも優れたマットレスとなっています。このため柔らかい寝心地が好きな人から健康志向の人、それに介護ベッドの利用者まで、多くの人に向いたマットレスとなっています。
ですが、良い点ばかりではありません。低反発素材は通気性が悪く、夏場は暑くて蒸れやすいという欠点があります。また体が沈み込む上、反発力も低いので寝返りが打ち難かったり、人によっては腰が沈みすぎて寝姿勢が悪くなることも。それに低反発素材は寒くなると硬化するので、冬は寝心地が悪くなってしまいます(しばらく寝てると体温で柔らかくなりますが)。
暑さや寒さはエアコンで調整できても、マットレスの硬さや反発力は直すことが出来ません。だから低反発マットレスを選ぶときはしっかりと試し寝をして、腰が沈みすぎず、また浮きすぎない、ちょうど良い硬さを選ぶようにしましょう。柔らかくて肌触りが良いなんて理由だけで選んじゃダメですよ。
マットレスを選ぶ基準になるのが、硬さ・密度・反発弾性率の各数値です。硬さは平均40~70ニュートンで、数値が大きいほど硬いです。密度は40~100kg/m3で、数値が大きいほど粘りのあるしっかりした寝心地になります。反発弾性率は2~6%で、小さいほど反発力も低くなります。ただしこれらの数値で寝心地が決まるわけではないので、参考程度にしてください。
というのも、体に合う・合わないは体質や寝姿勢も関係するようで、一概に体重や体格だけでは判断できないからです。だから数値に頼った選び方ではなく、実際に試し寝をして選ぶのが良いでしょう。少なくとも、体重の重い人や硬い寝心地が好きな人、よく寝返りを打つ人、あと骨の柔らかい成長期のお子さんや腰が沈む寝姿勢の方は避けた方が無難なマットレスです。
反発力の低さから、手形が残るほど
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低反発の有名メーカー、テンピュール
素材が柔らかく、折り曲げることも可能
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