TOP > マットレスの選び方 > マットレスの比較4ページ
反発力の強いスプリングマットレスの次は、逆に反発力の低い低反発マットレスをレビューしましょう。低反発マットレスの特徴は、なんといってもゆっくりとした沈み込みと、型にはまったような反発力のない寝心地にあります。この独特の寝心地と体圧分散の良さで、とても人気の高いマットレスです。
今回用意した低反発マットレスは、厚さ8cm・密度40kg/m3・重量6.4kgですが、これ以上の情報は残念ながらわかりません。低反発や高反発マットレスは、反発弾性や復元率・硬さ・密度が商品選びの重要な要素なのに、記載されていないことが多いからです。特に通信販売ではこうした数値でしか寝心地を伝えられないのですから、しっかり表示して欲しいと思います。
では低反発の寝心地ですが、柔らかいイメージのある低反発マットレスも表面は意外と粘りがあり、軽く押した程度では簡単に凹みません。でも体を寝かせるとゆっくりと沈み込み、肩やお尻などの重い部分は深く、軽い手足や腰のくびれは軽く沈んで、無理なく自然な寝姿勢にしてくれます。体圧が掛かると柔らかく沈むので、横向きに寝ても肩が痛くなることはありません。
同じ体圧分散に向いたポケットコイルと比較すると、ポケットコイルは柔らかくて体がすぐに沈むけれど、反発力が強いので沈み込みは浅く、下から支えられるような寝心地となります。逆に低反発は粘りがあるので沈むのは遅いけれど、反発力が低いので体圧の掛かる部分からゆっくり深く沈みます。手を押し付けると手形が残るように、体のラインに沿ってマットレスが変形するので、自分の体の型に入っているような圧迫感のない寝心地になります。
ちなみに管理人は硬い寝心地が好きなので、しっかりと体を支えてくれるポケットコイルの寝心地の方が好みです。低反発はどこまでも沈んでゆくような浮遊感があり、腰の辺りが沈みすぎているように感じて落ち着きません。逆に柔らかい寝心地が好きな人は、反発力の強いポケットコイルより柔らかくて圧迫感も少なく、しかも深く沈む低反発の方が向いているでしょう。
では、ここからは低反発の欠点について説明します。まず、低反発の素材であるウレタンは通気性が悪く、しかも沈み込む体に密着するので、夏場は蒸しかえるような暑さになります。管理人もあまりの暑さに、夏の使用はあきらめました。また体が型にはまったように沈んで動き難い上に、マットレスが柔らかいので寝返りを打とうとしても力が入りません。管理人はよく寝返りを打つ方ですが、寝返りを打つのにこれほど疲れるマットレスは初めてです。
さらに低反発素材は温度によって硬さが変わるため、夏場はものすごく柔らかいですが、冬場は逆にものすごく硬くなります。冬場低反発に体を寝かせると、密着している肩やお尻は体温で柔らかくなるので沈み込みますが、体温が伝わらない手足や頭は硬い表面に投げ出された状態になります。肩やお尻だけが沈む寝心地は、正直あまり気持ち良くありません。
以上のような欠点はありますが、空調で一年を通して室温が安定していれば硬さや暑さに困ることはありませんし、寝返りをあまり打たない人なら寝返りがやり難くて困ることも少ないでしょう。あとは深く沈みこむ圧迫感のない寝心地が体に合えば、とても健康面と寝心地に優れたマットレスだと思います。
最後に、今回初めて黒カバーのマットレスを購入したのですが、ロフトベッド下から見上げた黒マットレスは、想像以上に圧迫感があります。頭上に黒を配色すると暗く・重たくなるので、特にベッド下に机や椅子を配する人は、メッシュ床板には開放感のある白やベージュを選ぶようにしましょう。もしインテリアデザインで黒しか選べない場合は、それなりの圧迫感を覚悟してください。
今回使用した低反発マットレス(黒いです)